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Man reist nicht um anzukommen, sondern um zu reisen.

子どもの算数力を鍛えるために親ができること/算数力に関する本を数冊読んでみて。

みなさんは子どもの頃、勉強が好きでしたか?

子どもの教育。その考え方やアプローチは家庭の数だけあると思いますが、わたしは何はともあれ我が子には勉強を好きになってほしい。そこには、好きではないものはどんなものだって上達しないという考えがあるからです。
すごくあたりまえのことをいっているようですが、でも、音楽やスポーツの習い事を選ぶときには子どもの好き嫌いを考えるのに、勉強の習い事を選ぶときに子どもの好き嫌いを考える親御さんは少ないのではないでしょうか。それは心の中にどこか勉強は好きとか嫌いの範疇で語るものではないと思っているからなのかなーと思っています。

 

では、勉強が面白いと思えるためにはどうしたらいいのでしょうか。何に興味を惹かれるかなんて人それぞれです。こうすれば万人が面白いと思えるはずだなんて方法はないと思います。でも、うちの子はこういうことが好き。うちの子はこういう風にいえば興味を持ってくれるというレベルに落として語るならば出てきますよね。そう、ここでわたしの出番です! 子どもに勉強を好きになってもらうためにすべきこと、それは親自身が我が子の知的好奇心を駆り立てるような教育をすること、それにはまず親が率先して子どものカリキュラムを勉強することが必要になってくるのではないでしょうか。

 

勉強を教科の範囲内としてしか捉えられないなら相当頭悪いよ。哲学や論理的思考を養って人生を楽しむ、応用が利くように、あえて国語や数学ってかたちでパッケージして教えてるんだよ。

 - ビートたけし

 

目次

 

家庭学習と学校との関係

我が家では、春から子どもが小学校へ通うこととなり、いよいよ就学時代の幕開けです。そこで学校のカリキュラムを楽しむためにも家庭学習をしっかりやっていきたいところですが…
小学生時代における家での勉強って宿題を中心に考えられがちですよね。ママ友との会話も宿題や塾、習い事のことがほとんどです。でも、本来、宿題とは勉強したことの確認であって、それ自体を勉強というのは少し乱暴な気がします。勉強とは、まず自らで学び、分からないことを見つけ、それに対して指導を仰ぐというのが本来のあり方。とすれば、家庭学習とは、理解が必要な科目について、予習を中心に行うべきであるといえます。

 

算数の重要性とその本質

ここで最初に気にかけたい科目といえば算数です。
これ、どこのご家庭でも一番気にかけている科目だと思います。私立小学校の説明会などでも算数(と最近では英語)についてはわざわざ言及があるくらい、小学校では算数が重要視されています。中学受験を視野に入れると、配点が大きく、差がつきやすい科目だから算数は重要なのでしょうが、わたしがここで算数を特に気にかけるのは算数が積み重ねの科目だからです。本質を理解できないと、学年が上がるごとに苦手意識が強くなり、理科や数学にも影響を与えます。

 

算数の本質とは

ところで、算数の本質とはなんでしょうか。
文部科学省の学習指導要領によると算数の目標として次のように記されています。

算数的活動を通して,数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け,日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え,表現する能力を育てるとともに,算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。

 

算数は「計算力」と「論理的思考力」に分けて考えることができますが、この目標からは、算数は論理的思考力を育てることを目的とするものであり、計算力そのものは補助的な存在と位置付けられているように思われます。

というと計算力を軽視してしまいそうにもなりますが、計算力は算数や数学を学ぶうえで土台となるもの。そこで、論理的思考力と計算力、両者は二者択一的に是非を問うものではないと考えるのが良さそうです。

 

算数を得意にする習い事は?

一方、算数力を養う習い事に目を向けると、まず、定番の習い事にそろばんと公文や学研教室があります。最近では、左脳のみならず右脳も鍛えられるとそろばんの人気が高まっていますが、いずれも計算力を高めるものという点で共通します。

対して、昨今、注目されているプログラミング教室は、プログラミングの、与えられた問題を解くアルゴリズムを考えてそれを何らかのプログラミング言語で記述するというプロセスに着目して、論理的思考力を養うものといわれています。

 

なお、算数を職業と関連付けてみると、「13歳のハローワーク」では、算数・数学が好きな子は、金融業界で働く、税理士、公認会計士、アクチュアリー、暗号作成者といった職業に向いているとされています。

 

算数力に関する本を読んでみた

こう紐解いていくと、我が子が算数を好きになるためにどんなアプローチを取ればいいのかが、少し見えてくる気がします。でも、まだまだ足りない。そこで、算数力に関する本を数冊読んでみました。以下、実際に読んだ順に記載しています。

なお、小学校の各教科ごとの授業時数や学年ごとの到達目標(進度)については文部科学省のWebサイトに掲載があるので、こちらを参考にするとどういった本を読むべきかの参考になるかもしれません。

小学校学習指導要領:文部科学省

 

一生使える"算数力"は親が教えなさい。/ マルコ社

オススメ度:★☆☆☆☆

書籍のタイトルから、論理的思考力を養うための具体的な指導法のようなものが書いてあると思い込んで手を取ったのですが、巻頭の「はじめに」をのぞいては、小学生(しかも中学年以降)で習う計算方法を親が予習(復習)し、子どもに教えるときに役立ててねといった参考書でした。

特に目に付いたのが、この本の抱える自己矛盾です。というのも、巻頭では「丸暗記ではダメ。ひたすら考えることが大事」とし、暗記させた算数の知識は、根本的な理解が伴っていないので受験が終われば消えてしまう学力であり、算数学習の本質は、自分自身の頭できちんと考えていくことにあると、いかにもこれから論理的思考を経て算数を解いていく指導法を教えますよ!といったはじまりなのですが、本編に入るとひたすら機械的に計算の解き方を説明するのみなのです。きわめつけが「公式を覚えましょう」なんて記述。
終始この調子なので「はじめに」と本編では、算数に対する理解力がちがう執筆者が書いているとしか思えない内容になっています(実際、執筆者が3名いますね…)。

とはいえ、仮分数や帯分数という大人になってから見かけたことのない用語をはじめとして、算数を忘れているから子どもに教える前に勉強したいという趣旨、かつ3年生以上のお子さんに教えるための教本として使用するのであれば十分な内容です(第1章が小数の計算からはじまっているので、低学年の子どもに勉強を教えたいという場合、この本ではカバーできません)。 

一生使える“算数力

一生使える“算数力"は親が教えなさい。

 

 

ステップアップ式プログラミング/監修:TENTO

オススメ度:★★★★☆

日本で初めて子ども向けのプログラミングスクールを設立したTENTO監修の子どもにプログラミング教育をさせたい親に向けたプログラミング入門本。Viscuit、Scratch、アルゴロジック、MOONBlock、Aftec Robotist、Minecraftという6つのプログラミングツールそれぞれの触りに触れています。子どもにプログラミングをさせたいけど、何から初めていいか分からないという方は、いきなりスクールに入るより、まずこちらを手にされるといいと思います◎

それぞれのツールで学べること、そのツールの歴史や開発意図、子ども向けプログラミングとはどんな順序でやればいいのか、大人用の言語に挑戦するタイミングはなどの疑問にも分かりやすく答えていて、プログラミングにまったく触れたことのない親でも難しく考えずに、子どもと一緒にプログラミングの世界へ羽ばたけるようになっています。6つのプログラミングツールのうち、一番簡単なのはタブレットでも動かせるViscuitで、こちらは6歳(年長)のうちの子でもすぐに覚えて一人遊びしていました。低学年または未就学児のお子さんがいる、プログラミングに明るくない親御さん向けにぴったりな本です。

親子でまなぶステップアップ式プログラミング

親子でまなぶステップアップ式プログラミング

 

 

日経Kids+ 親子で始めるプログラミング

オススメ度:★★★★☆

2016年4月に開かれた産業競争力会議の中で、2020年度を目標に、初等中等教育におけるプログラミング教育必修化の方針が発表されました。そこで、子どもにプログラミング教育をする必要はあるのかという疑問に対する理解を深めるのに役立つのがこちら。 教育現場におけるプログラミングからはじまり、次のような構成になっています。

  • プログラムと言語の基本を理解しよう
  • 大人も子どもも無料でプログラミングを体感
  • いま学びたい主要プログラミング言語
  • 小中高生が学べるプログラミングスクール
  • 「Scratch」で学ぶ親子プログラミング教室

なお、表紙から本書のメインと連想される教育現場におけるプログラミングについての記述は106頁中12頁しかなく、あとは高学年以上向けのプログラミングツールやプログラミングの入門的な説明が多いので、子どもにプログラミングを進めるまえに、自分自身がプログラミングの前提知識をちょこっと身につけたいという方向けだと思います。

もっとも、Scratchについては3分の1以上割かれているので、Scratchの入門書とプログラミング世界の外観を知る本が欲しいという方にはビッタリな一冊かも◎

日経Kids+ 親子で始めるプログラミング(日経ホームマガジン)

日経Kids+ 親子で始めるプログラミング(日経ホームマガジン)

 

 

 

小学校6年分の算数が教えられるほどよくわかる/小杉拓也

オススメ度: ★★★★★

子どもの計算に対する理解を高め、親の算数力も鍛えるという観点からいえば絶対に外せないというほどオススメの本がこちらです。本書は、『たし算とひき算の「?」を解決する』といった感じに目次立てされているのですが、読んでみると面白いように「?」が「!」へ変わっていきます。
たとえば、「一生使える"算数力"は親が教えなさい。」では、第1章の冒頭で、小数の計算を扱っていますが、小数点をそろえて計算すると言及するにとどまっています。しかし、本書では、3.52+2.1の計算において3.52は「1が3つ、0.1が5つ、0.01が2つ」からできているという説明からはじめて、小数点をそろえることによって同じ位どうしをたすことができる。よって、小数点をそろえて筆算をする必要があると説明しています(実際にはもっと分かりやすく書かれています!)。そうそう、たしかにそうだった。

また、本書では目次の項目ごとに「1年生〜(対象)」といった表記があったり、小学生のお子さんには何々と説明してあげてくださいという丁寧な表現があったりして、指導の目安や方法を掴みやすいのも特徴です。

なお、冒頭の「はじめに」にはこんな著者のメッセージがあります。

ほとんどの大人の方が「算数はかんたんだ」「算数の内容なんてすべてわかっている」と思っているでしょう。しかし一方で、「どうして分数の割り算はひっくり返すの?」のような質問に、スムーズに答えられない方もいるのではないでしょうか。

…このような根本的な疑問に答えられてこそ、「本物の算数力」が身についているのだと言えます。

別の箇所では「原理をある程度知ったうえで解くと、より深く考える習慣がつき、数に対する感覚も強くすることができる」という表現も用いられていて、著者の小杉拓也さんがどういう意図でこの本をお書きになられたかがとてもよく伝わってきました。

小学校6年分の算数が教えられるほどよくわかる (BERET SCIENCE)

小学校6年分の算数が教えられるほどよくわかる (BERET SCIENCE)

 

 SAPIXの先生だったのね

 

算数力に関する本を数冊読んだわたしの雑感

1. 未就学児〜小学校低学年についていえば、まずは計算力を身につけることを念頭に学習を進めるのがいいということ。
なぜなら、計算力は算数力の土台になるものであるし、数字に親しみを持つことで数に対する感覚を養うことができるから。

2. 計算というものは暗記的要素は免れないものだということ。ただし、筆算以降の計算については仕組み(原理)があり、その理解を深めることで算数がグッと面白くなる。また、その過程こそ論理的思考を育む。

3. 原理が分かっていない段階でそろばんや公文などの計算力を高めることに特化した習い事をすることは、機械的な処理をする暗算癖を身につけてしまい、算数力の不理解を引き起こす可能性があるので慎重にすべき。

4. プログラミング教室は習い事としては面白いけど、算数力を求めてするものではない。算数力に関連づけられるとしたら、条件整理などを学ぶ4、5年生以降。

すべて個人の意見であって、どの本にこう書いてあったというものではありません。

 

といったところ。とりあえず、この一年間は計算力を鍛えるような習い事はせずに家庭学習を中心にやっていこうと思います◎ お勉強系で習い事をするとしたらプログラミング教室だけど、こちらもすでに家庭学習をしているので様子をみながらかなー。

では長々とお付合いいただきありがごうざいました :)

 

  

今日の私があるのは母のおかげです。母はとても誠実で、私を信頼してくれていましたから、私はこの人のために生きようと思いました。この人だけはがっかりさせるわけいにはいかないと思ったのです。

- エジソン